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5L・SCD・CPTメソッドで業務を学びの場に変えられるICTエンジニアになろう

このブログ記事では、ハイクラスICTエンジニアとして20年以上活動するメンターの経験を、メソッドとして定義し明文化しています。

業務を学びの場に変えることができるこれらのメソッドが、自己開発やQCD向上の参考になれば幸いです。

目次

  1. 5Lメソッド ... タスクの優先順位を考える方法
  2. SCDメソッド ... 発想を広げ整理する方法
  3. CPTメソッド ... 引き出しを増やしながら応用力を高める方法

1. 5Lメソッド

このメソッドは、タスクの優先順位を考える方法です。

タスクごとに5つの尺度を用いてスコアリングを行い、合計点数が高いタスクを優先順位が高いタスクと判断します。 ただし、朝会などで関係者間で認識合わせをし、優先順位の客観性を保つことも大事です。

このメソッドを採用することで、全体最適の文脈で優先順位を整理する習慣が身に付き、問題解決の力向上、時間とコストの節約が期待できます。

5Lメソッドの概要

項目 説明
目的 タスクの優先順位の決定、プロジェクトの効率向上
行動 5つの尺度を用いたスコアリング、関係者との目線合わせ
効果 問題解決の力向上、時間とコストの節約

スコアリングの尺度

すべての尺度で評価し、合計点数が高いタスクを優先します。

評価の際は、ひとつの尺度ごとに、もっとも高い点数を合計点数に計上します。

尺度 10点 2点 1点 0点 説明
quick-level 15分以内に完了できる - - 15分以内に完了できない タスクの着手と完了の早さの度合い。早いほど優先度が高い。
risk-level - 無駄なコストが発生する 狩野モデルにおける品質が低下する - タスクをやらないことで受ける被害の度合い。被害が大きいほど優先度が高い。
value-level - 目的と狙いに沿った利益が拡大する 狩野モデルにおける品質が向上する - タスクをやることで生まれる価値の度合い。価値が大きいほど優先度が高い。
impact-level - 他の人のタスクをすでに止めている 他の人のタスクを新たに止める - タスクをやらないことで周囲に与える影響の度合い。影響が大きいほど優先度が高い。
time-level - 猶予が10営業日未満 猶予が10営業日以上 - タスクの完了が求められる期限までの猶予。猶予が少ないほど優先度が高い。
  • 計算式は「猶予=期日までの時間 - (作業時間 + 待ち時間)」とする
  • 作業時間は難易度がに応じて重みをつける

5Lメソッドの効果

問題解決力の向上
タスクの重要度や緊急度を明確にすることで、問題に対する優先順位を決めやすくなります。 また、タスクの分類によって、問題の種類やレベルを把握しやすくなります。
時間とコストの節約
タスクの優先順位に従って、効率的にタスクをこなすことができます。 また、タスクの分類によって、タスクの見積もりや計画を立てやすくなります。

2. SCDメソッド

このメソッドは、発想を広げ収束する方法です。

3つの行動を行き来しながら進め、それぞれの行動で作成した資料に違和感がなくなり平仄が取れたときに考えがまとまったと判断します。

このメソッドを採用することで、思考プロセスが明確になり、より効率的かつ創造的な問題解決が期待できます。 また、視点の調整を行いながら進めることで、多角的な分析が可能となり、深い理解と洞察を得ることができます。

SCDメソッドの概要

項目 説明
目的 思考プロセスの明確化、効率的かつ創造的な問題解決
行動 scribble(発想拡張)、clustering(共通特徴抽出)、diagramming(アイデア収束)
効果 発想の拡張、共通特徴の抽出、アイデアの収束、思考の整理

3つの行動

最初はscribbleから始め、clustering、diagrammingと進みます。

一度diagrammingまで進んだ後は、3つの資料を見比べて、違和感がある資料、平仄が取れていない資料に手を入れます。 どれか1つに手を入れるとほかの2つにも手を入れることになりますが、それを繰り返して、違和感がなくなり、平仄が取れたら完了となります。

行動 意義 説明
scribble 発想を広げるために語句を書きだす
  • 発想を広げるために語句を書きだすことで、アイデアを自由に出し、発想を広げることを可能にする
  • 書く順番、切り口、粒度など一切気にせずにとにかく量を書くことを意識し、clusteringとdiagrammingを見ながら視点を調整する
clustering 発想から共通の特徴を書きだす
  • 発想から共通の特徴を書きだすことで、書き出された語句から共通の特徴を見つけ出し、整理することを可能にする
  • 書いた語句をグループとして集め共通の特徴を書くことを意識し、グループ分けの視点ごとに資料を分け、scribbleとdiagrammingを見ながら視点を調整する
diagramming 発想を整理するために図表を書き出す
  • 発想を整理するために図表を書き出すことで、アイデアを図解言語で整理し、実用レベルに落とし込むことを可能にする
  • 書いた語句と特徴を図解言語で整理し、整理の視点や図解言語の種類ごとに資料を分け、scribbleとclusteringを見ながら視点を調整する

SCDメソッドの効果

発想の拡張
scribbleを通じて、アイデアを自由に出し、発想を広げることができます。
共通特徴の抽出
clusteringにより、書き出された語句から共通の特徴を見つけ出し、整理することが可能になります。
アイデアの収束
diagrammingを使って、アイデアを図解言語で整理し、実用レベルに落とし込むことができます。
思考の整理
三つの資料を相互に更新しながら進めることで、思考を整理し、平仄が取れた状態で考えがまとまります。

3. CPTメソッド

このメソッドは、引き出しを増やしながら応用力を高める方法です。

3つのステップを1サイクルとして、タスクが完了するまで繰り返します。

このメソッドを採用することで、どういう状況ではどういう対応が有効かをパターンとして蓄積できるようになり、未知の状況への効率的な対応が期待できます。 また、段取りを可視化することで、洗練や共有が可能となり、QCDの向上につなげることができます。

CPTメソッドの概要

項目 説明
目的 業務を通じた自己成長やスキルアップ、業務の効率化や改善
行動 タスクを遂行する際に3つのステップを踏み、3つのステップを繰り返しタスクを完了させる
効果 理解の促進、知見の蓄積、効率化や改善、こまめな軌道修正

3つのステップ

把握、計画、実践の3つのステップを1つのサイクルとして実行します。

1サイクルの実行前と実行後では、状況に2種類の変化が起きています。 自分が1サイクルを実行したことによる変化、周囲の動きによる変化です。 次のサイクルでは、そういった変化をひっくるめて把握しなおすことで、最新の状況に合わせてこまめに軌道修正をしていきます。

行動 意義 説明
comprehend 現状を理解し進め方の選択肢を見つける
  • プロジェクトの状況、自分のチームの状況、自分の状況、他のメンバーの状況、他のチームの状況などの情報を収集する
  • 情報を整理し、全体の中のどこにいるのかを把握したうえで、自分がとるべき行動について、自分の裁量の範囲で実行できる選択肢を洗い出す
  • 選択肢に対するpros/consを考慮したうえで、pfdが小さくなりそうな選択肢を一つを選び出す
planning 段取りを可視化し改善可能にする
  • 行動を始めるために必要となる情報を、行動を終えることで得たい成果に変換するためのpfdを作成する
  • pfdは有識者とレビューをすることで実行前により洗練することができる
try 実践可能か試してみる
  • pfdを実行し、うまくいきそうかどうかを見極める
  • うまくいきそうであれば続け、見直しが必要そうならcomprehendかpfdに戻る
  • pfdの実行中に外乱により状況が変わる場合は、その都度pfdをアップデートする

CPTメソッドの効果

理解の促進
comprehendを通じて、現在の状況を理解し、合理的な行動を選択することができます。
知見の蓄積
planを通して、段取りを可視化し、レビューや再利用、蓄積できるようになります。
効率化や改善
tryを通して、pfdを洗練し、業務の効率化や改善につなげることができます。
こまめな軌道修正
時々刻々と変化する状況に、少ないコストで対応することができます。